苦しい。とても苦しい。父が再婚したことが苦しい。母と離婚したこともしんどいが、その後の再婚が本当に苦しい。しんどい。身体が重い。こんなに人生の中で苦しいことがあるのか、というぐらい私には強烈だった。両親が離婚した時に身体を真っ二つに引き裂かれた感じがあって、父の再婚で二度目の切り裂かれた感じがあった。腹違いの兄弟が生まれたあとは更にもう一度引き裂かれ、身体はボロボロになってしまった。もう、昔の健全だった頃の私ではない。もう、戻れない身体になってしまった。心の殺人、と私は思っている。これはれっきとした魂の殺人であると思っている。あくまでも私が感じたことで私のケースだ。幸せな再婚ももちろんあるし、幸せな離婚ももちろんあるのだろう。だが私は違った。誰かが一人でもこのようにつらい思いをしている時点で幸せな離婚も幸せな再婚もないと思った方がいい。特に子供のいる再婚は必ず誰かが我慢をしているかもしれないということだ。覚えておいてほしい。私はこの感情に終わりはないと思っている。永遠に続く悪夢のようだ。大人はこのことを知っているのだろうか??大人はどのような感覚で離婚をし、そしてあまり間隔を開けずに一年ぐらいで再婚をするのだろうか。私にはこの感覚がわからない。子を一人、この世に導き出したということの大きさが、わかっているのだろうか。子を作るということがどれほどのことなのか、大人はわかっているのだろうか??子供は、機械ですか、それともオモチャですか、それともペットですか。離婚したら、「俺の子」ではないのですか。別れたら、全て終わりなのか。そうなのか。大人には、そういうことなんだ。事情があったのかもしれない。会えなかったのかもしれない。どちらが悪いわけでもない。でも虚しいですよ。こんなの。何なんですか親子って。再婚って何なんですか。私は要らない子だったんですか。再婚したら私はゴミクズなんですか。見向きもされなかった。親族一同見向きもされなかった。そんな子供です。私は。生きている価値なんてあるのでしょうか。私にもわからない。再婚相手に聞いてみたい。「お父さんと作った家族であなたは幸せになれたんですか。」と聞いてみたい。私は父よりも再婚相手に聞いてみたい。「あなたはそんな父と結婚して幸せになれたんですか」と聞いてみたい。私をないがしろにして得た家族はそんなに幸せだったんですかと聞きたい。どうして誰も私に教えてくれなかったのでしょうか。どうして父のことを誰も私に教えてくれなかったのですか。いつもいつも、私の半身は空白でした。空虚な、まるで空っぽの空洞でした。そこには、何もないのです。そこには、何も、ないのです。ただの空間だけでした。誰もいない空間を二十八年間生きて来ました。去年父が亡くなってやっと初めてその誰もいない空間に「父が帰ってきた、」のです。私は今、その父と戦っています。毎日毎日、霊になった我が父と戦っています。父の気配がするのです。父のことをそばに感じるのです。空白の時よりも、感じるのです。不思議でした。成仏出来ていないのかもしれません。成仏なんて出来ないのだろうと思います。未練もあるのでしょう、私にへばりついています。しつこいぐらいに、です。