まあもうなんでもいいんですけど、お父さんがいなかった二十八年をどうやって埋めていこうかと思ってます。本当は私はお父さんの家に行って奥さんに話を聞いて奥さんと話をきちんとして何があったのかとかどうやって知り合って結婚したのかとか聞きたいんです。教えて欲しいんです。父のことを知りたいんです。そんなこと聞いても絶対に教えてくれないでしょうけど。私のお父さんなのに。私のお父さんだったのに。あなたが取っていった。あなたたちがずっと永遠にお父さんを取っていく。生きているあいだも死んでからも私のお父さんをあなたたち再婚家庭は取っていく。

 

心が痛まないんですか。心がしんどくならないんですか。私は毎日心が苦しいです。毎日心がしんどいです。あなたたちがいるからです。あなたたちがお父さんと一緒に二十年以上も生きてきたと知ったからです。知ったその日から。知ったその日から私はずっとずっとずっとずっと苦しいです。教えてくれなかったのは何故ですか。私に異母兄弟のことを教えてくれなかったのは何故なんですか。

 

あなたたちはどんな気持ちで生きてきたのですか。私はそれが知りたい。私はそれだけが知りたい。知りたいんだ。あなたたちのことを。私は知りたいんだ。あなたたちのことを。あなたたちお父さんの家族のことを。あなたたちお父さんの奥さんと子供のことを。私の異母兄弟のことを。私のお父さんを奪っていった人たちのことを私は知りたい。私は知りたい。お父さんを取った人のことをしりたい。私は知りたい。お父さんに何があったのかを知りたい。私は知りたい。お父さんがどんなことを思いながらどんなことを考えながら生きてきたのかを知りたい。あなたたちはそれを知っているんだろう。あなたたちはきっとそれを知っているんだろうと思う。

 

あなたたちはお父さんの大事な家族だから。私がどんなに頑張っても手に入れることが出来ない家族だから。大事なお父さんの家族だから。あなたたちは知っているんだろう。私のお父さんのことをあなたたちは知っているんだろう。あなたたちは愛を貰っていった。私のお父さんから大きな愛を貰っていった本来それは私が貰う物だったかもしれないがあなたたちがそれを途中からやってきて奪っていった。だからもう返してください。だから、もう返してください。それは本来私の物だったのだから。それは本来私の物だったのかもしれないのだから。