吐き出したいことと言えば

誰にも言えない。吐き出す場所がない。親の再婚がしんどい。親の離婚がしんどい。確かにそこから学べることもある。そこから新しい出会いもあることもわかっているし、知っている。だけどやはり親の離婚も再婚もしんどい。父母が憎しみ合って別れて他人と再婚し他人が介入してくる恐怖。見えない恐怖はぬぐい切れない。

 

私は親の離婚も再婚も子供の心を殺すことと思っている。子供の心をむしばむ行為だと思っている。全ては御縁。全ては御縁。父と母が出会い別れたのも父が後妻と再婚したのも全ては御縁。御縁の成せる技。御縁に介入してはいけない。私はそこに介入してはいけない。神の決めたことに口出ししてはならないと思う。

 

父も母も悪くない。再婚相手なんてもっと悪くない。全く以て関係ない人だからだ。彼女は何も悪くない。彼女がいなければ父はどうなっていたかわからなくて母に出来なかったことを彼女は父にやってくれている。彼女には感謝しかない。

 

存在自体が私を苦しめて息苦しくさせているのは疑いようのない事実だが彼女は何も悪くない。他人が私と父の間に入ってくる奇妙さと息苦しさは確かに存在しているが彼女は何も悪くない。他人が我が家の敷居を跨いで侵入してきている気持ち悪さは確かに存在しているが彼女は何も悪くない。

 

彼女は父の恋人であって父の後妻であって私の母でも何でもないかた彼女は何も悪くない。彼女は二十年以上、父のそばにいて父を支えて母には出来なかったことをたくさんしてきてくれているのだから彼女は何も悪くない。彼女は奇跡的な存在である。父に彼女がいてくれて良かったと心の底から沸き上がる感情を爆発させながら私は今日も日々、彼女に感謝申し上げたい。

彼女に出会い父も生き直したことだろう。

彼女に出会えて彼女に子を二人も産ませて父も男冥利に尽きたことだろう。こんなことを吐いているから私は父にも親戚にも嫌われてるのだ。嫉妬の塊である。私は嫉妬の塊である。私は嫉妬の鬼である。自分で自分が酷く一番醜いと思う。鬼は私だ。私こそがこの鬼であろう。